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アンジェリカ(Angelica spp.)は、セリ科、Angelica属(シシウド属)の植物群。アンゼリカともいう。

北半球の広い範囲に分布している二年草または多年草で、ヨーロッパを中心に古くから薬用・食用のハーブとして用いられている。日本に原産するシシウドやアシタバもこの属の植物で、40種ほどが知られている。



Angelica archangelica
アンゼリカ(和名セイヨウトウキ)。欧州各地、北欧・東欧・シベリア及びグリーンランド等の湿原や、アルザス地方などの山地に自生する2年草で、草丈1〜2m。

寒さに強いため、スカンジナビアでは貴重な野菜として利用される。 葉は大きく羽状の切れ込みがある。初夏に黄緑の散形の花序をつける。全草に甘味、ほろ苦味と強い芳香がある。

ヨーロッパでは古くからこの芳香が悪魔を退け、病気を治すと信じられ、「天使のハーブ」、「聖霊の宿る根」とも呼ばれた。

生育は冷涼な場所を好む。栽培では、春播きで翌年、秋まきで翌々年に花をつける。または株分けによる増殖も適する。

根・茎・葉には精油を含み、刺激性の風味が料理に用いられる。堅い茎は砂糖漬け(クリスタル・アンゼリカ)としてケーキのデコレーション等に、葉は魚や果物の風味付けとして用いる。また種はリキュールの香味付けに用いられる。

精油はアンゲリカラクトン、アンゲリシン、アンゲリカ酸、ベルガプテンを含み、その他にビタミンB群(葉酸、ビタミンB12ほか)を含む。精油成分は特に根に多く含まれ、根茎の乾燥物や種の粉末等を、煎じ薬(ハーブティー)や、精油成分をアルコール等で抽出したチンキ剤として用いる。

ホルモン分泌の調整作用により、「女性のための朝鮮人参」とも呼ばれる。ただし、女性ホルモンの分泌に影響することから、妊娠時の使用には注意を要する。



Angelica sylvestris
英名 Wild Angelica。ピンク色を帯びた白い頭花をもつ。


Angelica sinense
和名・カラトウキ, 英名Chinese angelica


Angelica acutiloba
和名・トウキ (中でもA. acutiloba var. sugiyamae ホッカイトウキ他、近縁種多数)

原産地は中国、日本では本州中部以北の、山地などに自生する。 漢方ではトウキ(当帰)として、中国の紀元前2百年の書物にも記載があり、生薬として根茎を用いる。薬効は、ほぼ上記のアンゼリカと同様。フタリド等を主成分とする。


Angelica dahurica
和名・ヨロイグサ。根は生薬ビャクシ(白?)として古くから知られる。日本では九州に自生。大型の多年草で、花期は5〜7月。主成分はフロクマリン誘導体で、上記アンゼリカやトウキとは同じ属の生薬でも用法などが異なる。


Angelica pubescens
和名シシウド(猪独活)。日本では本州、四国、九州の、日当たりのよい山地に生える、草丈2メートル前後の多年草。8〜11月に、散形に密集した白い花を付ける。根は薬として独活(ドッカツ)と呼ばれ、薬酒、風呂に入れて用いることがある。和名は、強剛な草なので、冬場にイノシシが掘り返して食うのに適していることからついたという。


Angelica decursiva
和名ノダケ(野竹)。日本では関東地方以西、四国、九州の山野に自生する。草丈1〜1.5メートルほどの多年草。茎は暗紫色。花期は9-11月で、直立した茎の先端に散形の暗紫色の花を付ける。果実はカレーのような香りを持つ。


Angelica keiskei
和名アシタバ(明日葉)。


Angelica shikokiana
和名イヌトウキ。別名日本山人参とも呼ばれる。日本国内では九州、四国、中国地方に分布する多年生草本で、草丈0.5〜0.8メートルほどになり、根茎が太く育つ。下部の葉は長柄があり、三角状の複葉である。8月頃、多くの白色小花を着けた散形花序をつくる。果実は狭長楕円形で長さ5ミリメートルほどの大きさ。

環境庁のレッドデータブックに記載された絶滅危惧種(絶滅危惧IA類)。

生薬としては4〜5年物の根が用いられてきたが、近年栽培されたものが「日本山人参」の名称で、健康食品やサプリメントとして注目されはじめている。

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